ご近所めぐり(5)生田緑地ばら苑

2012年5月23日(水)。

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今日はすばらしくいい天気。昨日の大雨が嘘のようです。

薔薇に宿るあまたの雫だけが昨日の雨の証。
むんむんと苑を覆っているのは、天へ帰っていく雨粒の残り香なのかもしれません。

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なあんて、薔薇にむかうとどうもキザになってしまって、むずむずしてしまいます。

薔薇の句は難しいと皆が言います。
おそらく平常心で詠むことができなくなるからでしょう。
薔薇には平常心でいてはいけない気分にさせられるところがあります。

今年は生田緑地で定点観測をする年です。
春先の梅に始まり、毎月1度ずつ通ってきています。

1月に来たときは、雪のあとでした。
木の階段を滑らないように梅林へのぼり、息を整えていましたら、
人影がひとり、ふたりと……。

  探梅の三人なれば華やぎぬ      正子

2月は立春のすぐあとに。
藤子不二雄ミュージアムが完成したからでしょう。
界隈を走るバスには、おばけのQ太郎やドラえもんでおなじみのキャラクターたちがプリントされていて楽しげです。
内装はどうなっているのかしら。一度確かめてみなくては。

  早春やバスにQちやんドラえもん    正子

3月は、思わぬお客様を迎えました。
前日、俳人協会のパーティーでお目にかかった、わがふるさとの先輩です。
お泊まりだとおっしゃるので、句会にお誘いしてみました。

  あたたかに大テーブルを囲みあふ   正子

4月は春の嵐の翌日でした。

  さえざえと嵐のあとの桜かな       正子

長らく工事が続き、園内至る所が掘り返されていましたが、
そろそろ完成形が見えてきていました。
ベンチやトイレが整備され、賑わいが戻っていましたが、なじんだ噴水は、もうありません。

  改修の成りてなづなの花盛り       正子

そして5月。
薔薇は、「ばら苑」の開苑期間に合わせて見に来ます。

「生田緑地ばら苑」は、閉園となった向ヶ丘遊園内にあったものです。
開苑当時(1958年)は東洋一と賞されたのだとか。
その立地から「秘密の花園」として親しまれている云々と、パンフレットにあります。

今は川崎市が引き継ぎ、ボランティアに支えられて育まれています。
ここへ来るたび、手入れをしたり、記録をとったりしている方々の姿が気になっていましたが、

  薔薇守の証の腰の鋏かな         正子

やっと詠めました。敬意を籠めて。

1年おきとはいえ、同じ時期に同じ場所で同じ種の花と向き合います。
ですが、思うこと、感じることは毎回異なります。

当然ですね。花も、人も、違うのですから。
                                    (髙田正子)


                ♪
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by shinyurikara | 2012-05-28 18:19 | ご近所めぐり  

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