2013年 01月 05日 ( 1 )

 

故きを温ね(14)浅草


12月21日(金)冬至。
賑わいの戻った浅草にやってきました。

仲見世をまっすぐ抜けて、まずはお詣り。
実はここは今から数十年前(と書いてから驚いています)、田舎から出て来て母と合格祈願をしたところ。
なにやらゆかりを覚える観音さまなのです。

先回の天神さまのうぐいすは、毎朝次女の枕の下で鳴いてくれています。
ちゃあんと起きてくるんですもの。さすがの御利益です。
観音さまには、残りの数か月、受験生活をまっとうに送れるようお願いすることにしましょう。

それにしても今日は寒いからでしょうか。
境内に鳩の姿が見えません。
私も句帳を取り出すのがなんだか億劫です。

  まれびとを吸ひ極月の花屋敷   正子
  振売もいでて浅草年の市
  しぐるるや六区通りにさしかかり

かつて浅草六区と呼ばれた界隈には、六区通りと標識を立てた小綺麗なストリートが出現していました。
歩きやすいですけれどね。

浅草公会堂にさしかかると、白菊の花籠が目に入りました。

  あら、どなたかお亡くなりに?

公会堂前の床には有名人の手形がはめこまれています。
ずらりと並んだ手形。
1つずつ見ていくと、手形なのか、その人自身なのか、わからなくなってきます。

その白菊は、小沢昭一氏の手形に添えられていました。

  またひとつ故人の手形霜の菊   正子

待ち合わせの雷門の方角へ、ぶうらぶうらとシフトしていきます。
鬘や踊の衣裳、刀剣、刷毛、古時計、江戸切子、……それにしても随分といろいろな物が売られているものです。
中にこんなものを発見。

  討入の衣裳一式年の市  正子

句会に出したら、面白い評が得られました。

  年の市だから、討入はもう終わっているわけでしょう。
  あ、古着だと。
  行きそびれた誰かが、もういらねえ、とばかりに。

こういうやりとりこそが句会の醍醐味でしょう。

久しぶりに岐阜からいらしたAneさまは、今朝は5時起きでいらしたとか。
枕元にご主人がぬうっと現れ「おい起きろ」。駅まで送ってくださったのだそうです。

  名古屋で新幹線に乗り込むころにようやく夜が明けてきてね。

わかるわかる。私にとっても通い慣れた道でしたから。

  新幹線乗つて冬至の朝ぼらけ   正子

                              (髙田正子)

                    ♪
                    ♪
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by shinyurikara | 2013-01-05 13:13 | 故きを温ね