2013年 02月 18日 ( 1 )

 

故きを温ね(15)霞ヶ関

2月11日(月)建国記念日。
休日の霞ヶ関へやってきました。

私は東京メトロ千代田線で参りましたが、霞ヶ関駅で降りたのはほんの数名。
地下道を歩く人もほとんどいません。

3Aの出口から出ると、「霞が関跡」という標柱がありました。

  「跡」って?

傍らの解説によりますと、昔々関所があり、雲や霞の向こうに景色を眺めることができたので、この名がついたのだそうです。ただ、確かなのは武蔵野国にあったことだけで諸説があり、ここだと確定しているわけではなさそうです。『江戸名所図絵』の「桜田御門の南、黒田家と浅野家の間の坂をいふ」云々に従うと、ここらあたりになるようですが。

物心がついて以来、霞が関=中央官公庁街以外に考えたこともありませんでしたが、
いたずらに関の名がついていたわけでもなかったのでした。

  関ありしあたりを深く霞むなり   正子

歌川廣重の描いた「霞がせ紀」には、海が見え、凧がいくつも揚がっています。
今はもちろん海も遠くなっていますが、見えるのはビルばかり。凧などあり得ません。

  海つ方とふ春の空まぶしみぬ   正子

今から20年ほど前、「藍生」の連衆が吟行企画でここを訪れています。
記録をひもときますと、当時はお濠に黒鳥がつがいで棲みついていたようです。

  鴨翔ちて黒鳥のまた相寄れる  黒田杏子

という主宰の句もあります。
さすがにそのときの黒鳥はもういないでしょう。
が、子孫に期待してお濠を覗いてみることにしました。

それにしても皇居は広い。行けども行けども景色が変わりません。

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お濠は静かでした。
鴨の姿も、さがしてやっと数羽。

  雲に入りしや白鳥も黒鳥も  正子

いささか邪道ながら、「鳥雲に入る」のつもり。
もっとも、かつての黒鳥しかり、お濠の水鳥は帰らないそうですが。

日比谷公園に入ると、奥へ進むにつれ、
東京中の雀が集まってきているのではないかと思えるほどの雀に遭遇。
雀だけではありません。鵯も椋も、鴉も鳩も。みんなつややかで、のびのびしています。
片足のない鳩ですら、そそけた羽根をしていません。
ただ、人の食べ物を拾い食いして肥っているようでもあり、生活習慣病が心配です。

風もなく、うらうらとした天気に、噴水のあたりで思わず寝入りそうになっていますと、女子高生の、

  きゃあ~、なんでこんなに雀がいるのぉ

という声が。
本当だ。ベンチの後ろのヒマラヤ杉の下枝に、鈴生りと言いましょうか、むずがゆいほど雀が生っています。

立ちすくんでおりますと、雀らは次々に地を覆う蔦の葉の上に。
あまりに多くて、おしくらまんじゅうをしているように見えるのですが、
するりするりと蔦の下にもぐっていってもいるのです。

あ、中から椋が飛び出しました。ホバリングした後、再び中へ。
んーー、ちょっとめくってみてもいいでしょうか……。

  逃水を追うて雀のお宿まで   正子

いつぞやの亀のように、またしても写真を撮りそこねました。
しかたないですね、雀のお宿ですから、。
                                      (正子)

                     ♪
                     ♪
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by shinyurikara | 2013-02-18 11:48 | 故きを温ね