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故きを温ね(11)芝愛宕山

9月10日(月)、三田線御成門改札口に11時集合のこと。
ぷらぷら歩いて、御山にのぼります、とお知らせがありました。

  連れだつて芝の愛宕へ月のころ   正子

例によって夜行性でない私たちですから、約束はもちろん昼間の11時ですけれど。

御成門の駅は初めてです。
さてどうやって行こうかしら。

私の最寄りの駅は小田急線の新百合ヶ丘です。歩くと30分かかるので大概バスに乗ります。
新宿より東へ行くときは、東急田園都市線のほうへ出ることもあります。そのときは、たまプラーザか、あざみ野か、溝の口行のバスに乗ります。
候補が多くて便利そうに見えますが、要するにどれも100㌫当てにはできないので、毎度到着希望時刻から逆算して、遅刻しない行き方を選ぶことにしています。

加えて今日は、どこかで銀行に寄る必要が生じました。
五十日(ごとおび)ではないけれど……、後でふり返ってみますと、このあたりから思考が混線したようです。
ともあれ、銀行が混み合うことなく、事故で電車が止まることなく、9時45分、御成門到着。
おお、順調順調……あれ? 
9時45分って、10時15分前じゃない!? 

直前にルート変更をしたからなのか、選んだのが30分に1本のバス路線だったからなのか、
朝の片付けの勢いのまま、1時間早いバスに飛び乗ってしまったようです。
あああ~、吟行前に珈琲タイム。贅沢な1日の始まりです。

愛宕神社に詣るには、傾斜40度の男坂を上らねばなりません。
この男坂は、曲垣平九郎が馬で駆け上がった故事にちなみ、出世の石段とも呼ばれます。
今月末に「出世の石段祭」を控え、看板もポスターも出ていましたが、その大きな文字を見て、つい、

  「世に出る」とも「世を出る」とも……

と口走った私。朝のショックは、珈琲一杯では挽回できなかったのかもしれません。

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途中で止まるのもおそろしく、一気に上がった男坂。
男坂というものがあるからには、当然女坂もありますが、

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そんなに女らしくない気がします。
こちらは裏のほうへ下る坂。

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降りてみたら、とても素敵なお店があります。
なになに、店の名に添えて、la fromagerieですって。
その一角だけが別世界のようでした。

愛宕神社は火の神を祀っています。
今では摩天楼のような周りのビルから見おろされていますが、江戸の昔はここらで一番高い場所だったことでしょう。

  水澄んで火伏の神のお膝元  正子

日差しの強さは相変わらずでしたが、日の色にたしかな秋の到来を告げられた1日でした。


                                            (髙田正子)

                     ♪
                     ♪
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by shinyurikara | 2012-09-13 23:42 | 故きを温ね  

てくてく武蔵野(3)御嶽渓谷

1999年に起ち上げた新百合AOI倶楽部は、
学齢期の子どもたちの日常に合わせ、
学校が長期休暇に入れば当然のようにお休みとなりました。
いつしか子らは皆おとなになりましたが、
暑さがこたえるようになったおとなたちのために、8月はやはりお休みであり続けているのでした。

ではありますが、8月29日(第5水)、
HEROさんがタブー破りの吟行計画を立ててくれました。
行先は御嶽渓谷。
この春、オオカミをたずねて山上を目ざし、やってきたところです。

集合場所は川井。
御嶽の1つ先の駅です。
さらに1つ先は鳩ノ巣。東京のメンバーが「遠足で来たわ」と懐かしがっていました。

  石走る仙人草を車窓より   正子

予定の電車を降り立った一行は11人。
あれ? 幹事のHEROさんだけがいません。
後でわかったことですが、そのころHEROさんは、沢井(御嶽の1つ手前)で「誰も降りてこない!!」と1人焦っていらしたのでした。

だって、案内に川井ってあったんだもーん。
沢井で降りていたら、澤乃井で利き酒ができたんですって。まあ残念。

というわけで、お互いに御嶽を目ざして歩くことになりました。

ひとり黙々と上流を目ざすHEROさんと、大勢で気ままに下る私たち。
どちらが早く御嶽に着くでしょうか……なんてことは火を見るより明らかで、御嶽に着いたHEROさんは更に上流を目ざすことに。
いえね、私たちも水際の道に降りられるまでは、せっせと歩いていたのですよ。

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川井と御嶽のほぼ中間地点で、上流を見たところ。

さすがに御嶽にはファミレスの類が無いので、
HEROさんは句会場として旅館の1室を確保してくださっていました。
予約の時刻まであと1時間ほど。

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しずかに句作に励む人も、水辺に降りて裸足になる人も。
私は岩鼻に坐り込んで、ときどき居眠りながら、とんぼを見る人になりました。

  赤とんぼとどまる高さ飛ぶ高さ   正子
  水澄んでいつか身に棲む水の音

旅館へは渓谷から急坂をのぼります。
句会場は2階の、川に臨む1室でした。

お子さまタイムから抜け出せない私たちは、今日も日のあるうちにここを去ります。
でもいつかきっと。

  川に向く窓開け放つ星月夜   正子

そのときには利き酒もね。
                                (髙田正子)


                 ♪
                 ♪
   
  
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by shinyurikara | 2012-09-02 11:16 | てくてく武蔵野