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故きを温ね(14)浅草


12月21日(金)冬至。
賑わいの戻った浅草にやってきました。

仲見世をまっすぐ抜けて、まずはお詣り。
実はここは今から数十年前(と書いてから驚いています)、田舎から出て来て母と合格祈願をしたところ。
なにやらゆかりを覚える観音さまなのです。

先回の天神さまのうぐいすは、毎朝次女の枕の下で鳴いてくれています。
ちゃあんと起きてくるんですもの。さすがの御利益です。
観音さまには、残りの数か月、受験生活をまっとうに送れるようお願いすることにしましょう。

それにしても今日は寒いからでしょうか。
境内に鳩の姿が見えません。
私も句帳を取り出すのがなんだか億劫です。

  まれびとを吸ひ極月の花屋敷   正子
  振売もいでて浅草年の市
  しぐるるや六区通りにさしかかり

かつて浅草六区と呼ばれた界隈には、六区通りと標識を立てた小綺麗なストリートが出現していました。
歩きやすいですけれどね。

浅草公会堂にさしかかると、白菊の花籠が目に入りました。

  あら、どなたかお亡くなりに?

公会堂前の床には有名人の手形がはめこまれています。
ずらりと並んだ手形。
1つずつ見ていくと、手形なのか、その人自身なのか、わからなくなってきます。

その白菊は、小沢昭一氏の手形に添えられていました。

  またひとつ故人の手形霜の菊   正子

待ち合わせの雷門の方角へ、ぶうらぶうらとシフトしていきます。
鬘や踊の衣裳、刀剣、刷毛、古時計、江戸切子、……それにしても随分といろいろな物が売られているものです。
中にこんなものを発見。

  討入の衣裳一式年の市  正子

句会に出したら、面白い評が得られました。

  年の市だから、討入はもう終わっているわけでしょう。
  あ、古着だと。
  行きそびれた誰かが、もういらねえ、とばかりに。

こういうやりとりこそが句会の醍醐味でしょう。

久しぶりに岐阜からいらしたAneさまは、今朝は5時起きでいらしたとか。
枕元にご主人がぬうっと現れ「おい起きろ」。駅まで送ってくださったのだそうです。

  名古屋で新幹線に乗り込むころにようやく夜が明けてきてね。

わかるわかる。私にとっても通い慣れた道でしたから。

  新幹線乗つて冬至の朝ぼらけ   正子

                              (髙田正子)

                    ♪
                    ♪
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by shinyurikara | 2013-01-05 13:13 | 故きを温ね  

故きを温ね(13)湯島天神

11月15日(木)、まさに七五三当日の行き先は湯島天神でした。

前日、夫が次女に、もじもじしながら手渡したのが天神さまの合格守。
  あらあ、湯島? 明日行くよ、私も。
  え、そうなの?

仕事の帰りにわざわざお詣りしたお父さんと、吟行のついでを考えていたお母さんを持つ娘は、高校三年生です。
受験生ですが、風向きが滅法あやしく、起きられない、食べられない、もちろん勉強なんてできるわけな~いという日々が続いていました。

10月の終わりにひと月越しで検査の最終結果が出て、身体的にはまずは不問となりました。
ほっとしましたが、あとは手伝えない領域。母としては肚をくくって待つほかありません。

そんなわけで、うかうか歩きを続けております。

このところ坂巡りの様相すらありますが、湯島天神にも、男坂、女坂がありました。

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                        ▲男坂    ▼女坂
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裏手には夫婦坂も。
あえて日溜まりに設けた坂なのでしょうか。境内でいちばん暖かかったのがこの傍らです。

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境内では菊花展が開催中。
カメラを持った人、手帳を持った人、さまざまに賑わっていました。
日の当たるところには、見事に仕立てられた鉢がずらりと。

  千本の日向の菊となりにけり    正子

でもずっと歩いていると、

  首ひとつづつにも見えて菊花展  正子

という気分になってくる私は、臍曲がりなのでしょうか。

七五三当日の割に、それらしき人出が少なかったのは、平日だからでしょう。
それにしても、パパママは当然のこととして、付き添いのおじいちゃまおばあちゃまが若く見えます。
うーむ。ま、理由は考えるまでもありませんけど……。

  父母とその父母と七五三       正子
  赤いべべ着てお転婆よ七五三

そしてさすがに受験期の天神さま。
出花の番茶や煎茶が、マフラーの色や柄もとりどりに、笑いさざめいておりました。

  また混んで小春のお札売場かな  正子

お母さんが「ついで」に受けた御守は、うぐいすを象った身体守です。
「○番の方~」という巫女さんの声に、病院の順番待ちを思い出し、絵馬の行列は避けたのでした。

  これはね、朝、すっきり起きられる御守なんだよ。

枕に敷いて寝るようにすすめてみようと思います。
                              (髙田正子)


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                            ♪
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by shinyurikara | 2013-01-03 17:18 | 故きを温ね