故きを温ね(6)竹ノ塚
2012年 08月 04日
2012年7月7日(土)。七夕。
廣重が描いた江戸の七夕図絵にひかれて、竹ノ塚へやってきました。
東武伊勢崎線のこの駅は、乗り過ごすと次は埼玉、草加になります。
路線図の前で、束の間はるばる感にひたっておりますと、岐阜からいらしたAneさんとばったり。
「おはようございます。はるばる(!)ようこそ~」
朝の雨はあがったようです。
鈍い光の中を、初めての町へ踏み出しました。
それにしても七夕といえば雨。
旧暦の行事を新暦の生活感でとらえているのですから、ひずみがあって当然ですが、
夏なのか秋なのかという、根幹の部分が怪しくなるのが辛いところです。
七夕の朝約束のやうに雨 正子
駅を西側に出ますと、東岳寺という、たたずまいの美しい寺があります。
もともとは浅草にあったそうですが、今、廣重はこの地に眠っています。
廣重の墓へ手ぶらの涼しさよ 正子
しかし墓に真向かうや否や、ぅわんと藪蚊に取り巻かれました。
手ぶらを詫びて早々に退散。
それでも何匹かは連れて出てしまったようでした。
この町には、東岳寺だけでなく、都心から数多くの寺が移ってきています。
関東大震災、東京大空襲、……おそらくそういう機縁で生まれることになったのであろう、寺町と呼ばれる一画もあります。
祀られた魂も、祀られぬままになった魂も漂っているかもしれません。
私は鈍感でしみじみよかったです。
寺町の青水無月の石畳 正子
それにしても、七夕飾りをとんと見かけぬ1日でした。
幼稚園もありましたが、土曜日でお休み。
たぶん昨日「たなばたさま」を歌って、片づけてしまったのでしょう。
そういえば朝、駅前の昭和風の商店街を抜けるとき、花屋に小さな笹飾りがありました。
ちょうど電話がかかってきたので立ち止まったのですが、
そんなことがなければ見過ごしてしまうほど、可愛らしい笹でした。
人待つて七夕竹と吹かれたり 正子
(髙田正子)
♪
♪
廣重が描いた江戸の七夕図絵にひかれて、竹ノ塚へやってきました。
東武伊勢崎線のこの駅は、乗り過ごすと次は埼玉、草加になります。
路線図の前で、束の間はるばる感にひたっておりますと、岐阜からいらしたAneさんとばったり。
「おはようございます。はるばる(!)ようこそ~」
朝の雨はあがったようです。
鈍い光の中を、初めての町へ踏み出しました。
それにしても七夕といえば雨。
旧暦の行事を新暦の生活感でとらえているのですから、ひずみがあって当然ですが、
夏なのか秋なのかという、根幹の部分が怪しくなるのが辛いところです。
七夕の朝約束のやうに雨 正子
駅を西側に出ますと、東岳寺という、たたずまいの美しい寺があります。
もともとは浅草にあったそうですが、今、廣重はこの地に眠っています。
廣重の墓へ手ぶらの涼しさよ 正子
しかし墓に真向かうや否や、ぅわんと藪蚊に取り巻かれました。
手ぶらを詫びて早々に退散。
それでも何匹かは連れて出てしまったようでした。
この町には、東岳寺だけでなく、都心から数多くの寺が移ってきています。
関東大震災、東京大空襲、……おそらくそういう機縁で生まれることになったのであろう、寺町と呼ばれる一画もあります。
祀られた魂も、祀られぬままになった魂も漂っているかもしれません。
私は鈍感でしみじみよかったです。
寺町の青水無月の石畳 正子
それにしても、七夕飾りをとんと見かけぬ1日でした。
幼稚園もありましたが、土曜日でお休み。
たぶん昨日「たなばたさま」を歌って、片づけてしまったのでしょう。
そういえば朝、駅前の昭和風の商店街を抜けるとき、花屋に小さな笹飾りがありました。
ちょうど電話がかかってきたので立ち止まったのですが、
そんなことがなければ見過ごしてしまうほど、可愛らしい笹でした。
人待つて七夕竹と吹かれたり 正子
(髙田正子)
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by shinyurikara | 2012-08-04 12:05 | 故きを温ね